ピラティスは、ドイツ人のジョセフ・ピラティス氏が開発した身体調整法です。ピラティス氏は、幼少時はリウマチ熱や喘息、くる病に悩まされ、呼吸器系が弱く病弱でした。病弱な自分の身体にコンプレックスを持っていたため、ヨガやダンス・体操・ボクシング・武術など様々な運動やスポーツの要素を組み合わせ、独自のエクササイズを開発して自己鍛錬に励んだといわれています。このエクササイズを発展させたものが、後のピラティスの原型です 。

第一次世界大戦時、既に強靭な身体となり、ボクサーや、サーカスのパフォーマンスをしたり、護衛術のトレーナーも経験していたピラティス氏は、捕虜として拘留され、マン島の病院で看護助手のようなかたちで、病棟勤務員として負傷兵のサポートに従事するようになります。ケガをし、寝たきりになってしまった仲間達のために、自身が編み出したエクササイズをリハビリに応用できないかと考え、研究を重ねてエクササイズの改良に取り組み、考案し、指導したことが現在のピラティスの始まりといわれています 。

その後、ピラティス氏は完成したピラティスメソッドをかかえ、第一次世界大戦後、1923年に渡米し、マンハッタンにピラティススタジオを開設します。このスタジオは世界的に有名なダンサーのスタジオだった為、ジョージ・バランシンやマーサ・グラハムなど、多くのダンサーがピラティスの元で学び、身体を痛めたダンサーたちが殺到し、ピラティスメソッドが広まっていきました 。